ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』11 金融に関する良い情報、悪い情報

11 金融に関する良い情報、悪い情報

 適者生存の法則により「タダ乗り」はやがて排除されることになる。
 ただし、なかには本当に助言を求めている人々もいる。彼らは目標達成に真剣で、助言には相応の報酬を払う。それは必ずしもお金ではなく、誠実なアドバイザーに対する信頼、判断に従う勇気、避けがたい過ちが起きたときの忠誠心を持って報いている。

 他人からの情報だけで儲かるという意味でのフリーライダーが自然と排除されるのは今でも変わりません。しかし現在では、有料情報は最初からスパッと検討から外してしまってよいと思います。

 現代はそもそも情報過多であり、問題は情報がないことではなく、良い情報とノイズまたは悪意ある情報を見分ける能力です。それがあるなら、無料でも良い情報が溢れているので十分ですし、それがないなら、たとえ有料情報であっても無意味です。

 むしろ、有料情報は、商売上のしがらみや、売らんかなのインセンティブの分だけ、無料情報よりも質が劣ることになりがちです。ここでいう「必ずしもお金ではなく」の諸観点から無料情報(源)を選別していくのがベストと思います。

 以前も一度ポイントしたことがあると思いますが、こちらの記事も参照。

 なお、ここでいう「有料」は単にお金がかかるというより「高額」の意味です。「無料」も、ゼロ円のみでなく、「安価」ないしは(たとえば一般書籍なども含む)常識的な額という意味です。

 マーケットで儲ける方法について適切な助言をくれる熟練したアドバイザーを見つけることは可能だが、私の意見では、こちら側が前もってピックアップした個々の証券について、常に同じように価値ある意見を得ることは絶対に不可能だ。尋ねたことに対する回答に比ベて、自発的な意見のほうが優れているということである。
 ちょっと考えれば分かることだが、自分の専門分野で、時間と手間をかけて人を利益に導くのは比較的たやすい。しかしいついかなるときも、求められた問いかけに対して価値ある情報や意見をすぐに与えられるというのは、まったく別の話なのである。そのため、あらゆるものについて何でも提供してくれる情報源には用心したほうがいい。

 なんでも答えてくれるアドバイザーは、口から出任せ言ってるだけの可能性が高いと。数打ちゃ当たるで山ほどの予測をして、当たったものだけ吹聴するのは、偽予言者の常套手段ですね。

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