書評

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ジョセフ・ヒース『資本主義にとって倫理とは何か』★★★★★

定評のあるジョセフ・ヒースだけに、いつもながらすごく良い。 倫理という単語が表に出ているが、全体のテーマは、経済と政治の関係を説明する、あるいは経済学を政治的な誤解と非難から擁護する、と言った方が近いかも。 著者自身の過去の本と重複する内容...
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イタイ・ヨナト『認知戦 悪意のSNS戦略』★★★

特別驚くようなことは書いてないが、目下重要な内容だし、簡潔にまとまっているし、イスラエル人らしく独自の部分もあるし、新書としてはいいのでは。
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スティーヴン・ガイズ『小さな習慣』★★★★

脳は身の安全とエネルギー節約のため、変化を嫌い、繰り返しを好む。変化を始めるには意志力が必要で、その供給には限りがある。そのため最初の変化は、失敗しようがないほど・馬鹿馬鹿しいほど小さくすべきである。 ……という内容自体は、既存の習慣本とそ...
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劉慈欣『三体0【ゼロ】 球状閃電』★

Audibleの格安期間に作業用BGMとして1.7倍速で視聴。 一応『三体』シリーズ世界の前日譚ではあるらしいのだが、シリーズとの繋がりはほとんどないに等しい。 三体そのものと同じでSF小説としてはマンガチックな割に、三体と違って(字で読む...
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『1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本』★★★

山本潤 (著), 皆木和義 (著)。タイトルが非常に胡散臭いため読むのが遅れたが、まともな内容だった。 前半の山本潤氏部分は、配当に着目して将来の割安度を計算するもので、実際の計算例まで踏み込んだ、かなり個別具体的なものになっている。 デフ...
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宝樹『三体X 観想之宙』★★★★

Audibleの格安期間に作業用BGMとして1.7倍速で視聴。三体3巻の裏話みたいな話。正直かなり面白い。3巻そのものより面白いまである。 にわかに信じがたいことに二次創作らしい。知らなかったら普通に作者本人の書いた4巻だと信じて疑わないだ...
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フランシス・フクヤマ『リベラリズムへの不満』★★★★

もう過去の人かと思っていたが、現在の左右双方からの伝統的リベラリズムへの攻撃、および、そこに至る歴史のざっとしたまとめとして非常に優れていると思う。おすすめ。
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ブライアン・ヘア『ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』★★★★

人類の自己家畜化そのものについては、『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』が一番良い本だと思うが、この本は政治的な部分にまで踏み込んでいて、独自の価値はあると思う。 以下はこの本のまとめではなく、政治面の意味合いについ...