ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』61 二重配当

61 二重配当

 私見だが、成功の秘訣は人が普通「仕事」ととらえることを、本当は「遊び」なのだと気づくことだ。仕事を楽しむことができなければ成功もしないだろうし、あなたの雇用主(がいればの話だが)に、給与に見合うだけの見返りを与えることもできないだろう。

 大抵の場合、投資を始めるのは就職より後になり、投資のための種銭も時間も、職業生活からひねり出さなければならないので、職業選択は本当に重要だと思います。

 自分は正直あまりよく考えていませんでした。運良く結果オーライだっただけです。子供にはもうちょっと早くから職業と投資について考えさせるように誘導したいと思っています。

 私たちは限られた自由な時間を、(中略)雑用に費やして無駄に過ごすようなまねをしてはならない。
 (中略)その時間を労働に換算したら何ができるか、あるいは金銭に換算したらどれ程の価値があるのか考えておくと、それはきっと将来に役立つ。その時間を残業に充ててもよい。勉強や健康促進、旅行やその他さまざまなことに充てるのもよいだろう。
 私たちは、生活の糧を得るために費やす時間内で行うことに比べると、「空いた時間」に何をするかについてはあまり厳密に考えない。余暇を計画的に使って、人生を最大限に生かしてほしい。

 時間に関する本は沢山ありますが、ここと上の2箇所の記述から思い出すのは『人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出』です。新書で軽く読めますし、おすすめです。

 買い付けを検討している銘柄について、次のような質問を自問自答してみよう。

  1. その会社にいくら投資するのか?
  2. いくら儲かると期待できるか?
  3. いくらのリスクを覚悟しなければならないか?
  4. 自分が設定したゴールに到達するまでに、どれくらいの時間がかかると考えられるか?

 10〜20パーセント以下のリスクで、6〜18ヶ月後に投資額の1.5〜2倍の最終利益が得られれば、良い買い物をしたと言えるだろう。

 振り返ってこの条件を当てはめた場合、始めた時点からクリアしていると思えた投資は、本当に数えるほどしかありませんね。まったく掛け値なしでそう言えるのは、モンストの時のミクシィだけかもしれません。

 期待しているような値上がりが起こるためには、現在の株価には反映されていない何かを予見できなくてはいけない。みんなにもあなたと同じことが見えているときには、利益は生まれない。これはかなり単純化した考え方だが有益だ。潮の変わり目を言い当てるよりも、潮の流れを追うほうがはるかにやさしいのだ。言い方を換えれば、下落傾向にあるものがいつ反転するかを当てようとするよりは、高く思えても上昇傾向にある銘柄を買い付けておくほうが、報われる可能性は高い。

 全体として、逆張り投資よりもトレンドフォローの投機のスタンスであるこの本では当然と言えますが、再確認として。

 強気相場においては、以下のようなケースを除いて売ってはいけない。

  • 先に弱気相場が見えている。
  • 所有する銘柄が問題を抱えている。
  • ときの経過と状況の変化によって、あなたが持っている銘柄の中で一番気に入らないものよりも、はるかに良さそうな新しい銘柄が出てきた。
  • あなたの持っている銘柄が、上昇をやめて下がり始めた。

 二つ目の問いは、「どの銘柄」を売るベきかだ。

  • その銘柄が「割高」だという理由だけで売ってはいけない。
  • 持ち株の全部ではなく一部を売りたいと思ったときには、感情を抑えて、損を出している株、利益がわずかか、もしくはまったく出ていない株、一番弱い株、最も期待外れの株などから先に売ることだ。一番成績の良い銘柄は最後まで残しておくこと。

 利確の際のチェックリストとしてちょうどいいかと。

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