分断

書評

ブライアン・ヘア『ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』★★★★

人類の自己家畜化そのものについては、『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』が一番良い本だと思うが、この本は政治的な部分にまで踏み込んでいて、独自の価値はあると思う。 以下はこの本のまとめではなく、政治面の意味合いについ...
書評

ジャスティン・ゲスト『新たなマイノリティの誕生―声を奪われた白人労働者たち』★★★

トランプ現象やらポピュリズムやらをアホ右翼の陰謀論だの極右だの人種差別主義だのと片付けてしまうとまずい。 ……というような内容自体は、政治の話題にそれなりに触れている人には新味はないかもしれない。 しかし、インタビューやアンケートの部分には...
書評

サイモン・マッカーシー・ジョーンズ『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』★★★

この本の「悪意」日常語的な意味ではなく、「自分が損をしてでも誰かに損をさせたい」という一見不合理な感情を指す。 その意義はおそらく反支配――誰かにいいように利用されたくない――にあるのではないかと思われる。 自分にとっては特別意外な話はない...