書評 『なぜ大国は衰退するのか ―古代ローマから現代まで』★★★ グレン・ハバード著、ティム・ケイン著。 ラインハートロゴフ論文問題もトランプ政権もまだの時の本で、すでに空振りな部分もあるし、アメリカの話以外はアネクドータルに見えてあまりいいとは思わない。 最後の具体的な財政への提言も、結局のところ緊縮し... 2020.06.19 書評
書評 『自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊』★★★★★ ダロン・アセモグル著、ジェイムズ・A・ロビンソン著。非常に面白かった。以下私の理解による大雑把な要約。 ホッブズのリヴァイアサンの議論は概ね正しく、その意義も明白であるものの、その対極として想定されている自然状態「万人の万人に対する闘争」は... 2020.05.25 書評
政治経済・金融一般 いわゆるアベノマスクの狙いは共有知識の付与 いわゆるアベノマスクの狙いは、布マスク自体の感染防止効果ではなく、マスク不足&高騰を抑えることだと思われる。(布マスクに感染防止効果がないと言っているのではないことに注意。) その原理は以前書いたこの記事に通じるところがあるかもしれない。任... 2020.04.22 政治経済・金融一般
政治経済・金融一般 新型コロナとパニックの村 ある人がパニックになるかは周囲ですでにパニックに陥っている人数で決まるとする。100人の村があり、n人目の村人は周囲のn人がパニックのとき自分もパニックになるとする。 平穏な村に一人のパニック者が駆け込んでくると、村は完全な大パニックに陥る... 2020.03.11 政治経済・金融一般
書評 『幸福な監視国家・中国』★★★★ 梶谷懐著、高口康太著。 タイムリーかつ面白い。新書としては最高級に良いと思う。悪いのは監視ではなく権力の暴走 で書いたあたりの話ともど真ん中で関係あるし。 2019.12.09 書評
書評 『リー・クアンユー、世界を語る』★★ グラハム・アリソン著、ロバート・D・ブラックウィル著、アリ・ウィン著。 シンガポール行ったのでなんとなく。確かに賢明かつ意志の強い人物で、そりゃこんな人が独裁してたら発展するわな、という印象。 アメリカに対するアドバイスが事実上「赤字減らせ... 2019.09.13 書評
書評 ダグラス・マレー『西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム』★★★ あまり期待していなかったが思ったより面白かった。意見として賛成できることばかりではないが、ヨーロッパの右派の主張は日本からはどちらかというと見えにくいので特に。 個人的にはこれも「近過去から現在までのトレンドをそのまま未来に外挿してしまう」... 2019.08.12 書評