家を買った理由 投資マクロ編

中期的な資産インフレ傾向がほぼ確実

 純粋に総資産を投資で増やすことだけを考えれば、おそらく家を買うのが得策ではないことは理解しています。

 今後の日本では、人口動態の大前提があるため、不動産で大きなキャピタルゲインを求めることは現実的ではありません。

 これは、そもそも個人投資家業界で家を買うべきではないとされている有力な要因のひとつでもあり、おそらく基本的には正しいです。

 しかし、アベノミクス以降多少様相が変わりました。大ざっぱに言えば、現在政府が進めている政策は、金利を抑えつつインフレを起こすことです。主にお年寄りの持つ預金にインフレ税をかけ、政府債務を相対的に削減することを狙っていると思われます。

 この政策が続く限り、相対的には現金(日本円)が不利、外貨・株式・土地が有利です。もちろん政治の先行きは読めませんが、今のところ3,4年では終わらない可能性の方が高いでしょう。

 住宅ローン(現金不利≒借金は有利)を借り、不動産を買うことは、相対的に悪くない選択となりえます。

良い住宅が安く買える可能性は当分ない

 このまま3,4年間賃貸を貫き、子供が小学校に上がる前に家買えバトルが発生し、それに負けた場合、2020年東京オリンピック前の、建設費も地価も一番高い瞬間に買うことになる可能性が高いです。

 さらに、建設費の高騰や職人の不足は、高い値段だけでなくクオリティの低下としても現れてくる可能性大です。特に後者はオリンピックが終わったからといって、なかなか解消されない可能性があります。

 2020年頃に質の低い家を高値で買わされることになるのが、想定しうる最悪のシナリオです。今のうちに買うことは、投資として有利とまでは言えなくても、最悪ケースへのヘッジとしてかなり有効と考えられます。

日本円は投資対象としてもっと悪い

 別に全然独創的なものではありませんが、私の投資の基本方針は「確信度に応じて賭ける」です。リスクベネフィット比とその確率を考え、それに応じてポジションの割合を調整します。

 たとえば、2012年5月のドラクマゲドンが取りざたされていた頃に、これ以下はありえないとかなり強い確信を持てたので、株式にオールインしました。

(自分の資産以上のレバレッジは掛けない方針のため、ここでのオールインは全力2階建てではありません。生活防衛資金と決済口座を除いた全資産を投じることを指します。)

 しかし、現在の株価と経済状況からして、仮に当面株価が上昇するとしても下落するとしても、このような株式オールインが可能な局面は、近い将来には来ないと思われます。

 そうなると、現在の総資産額および、日本での生活防衛資金+決済口座を確保する必要性からして、どうしてもまとまった額の日本円がポートフォリオに存在し続けることになります。

 しかし、日本円(預金)は現在最悪に近い投資対象であると思われるため、不動産への分散は、仮にベストではなくても、よりマシだと思われます。

 少し前に不動産への分散は考えないと言ったばかりのような気がしますが、考えを変えることはためらいません。

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