ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』46 損失をどうするか

46 損失をどうするか

 株価が下がるときには、必ず理由があると私は考えている。優れた運用マネジメントでは、その理由の重要性と継続期間を正確に見積もることが求められる。

 理由の重要性はともかく、継続期間を見積もるのはなかなか難しい気がします。

 もしかしたら、そもそも最初から間違っていたということも考えられる。株は期待感によって取引されるものだということを、常に計算に入れておくことだ。
株価が同じ理由で、2回上昇することはない。良いニュースがありそうだという期待感が広がったときに、最初の買い付けをしたとする。しかし、実際のニュースが発表されたときには、値段は上がらないものである。

 いわゆる織り込み済みというやつか。

 あえて一般的なルールを言うならば、「疑いを持ったときは、現金化したほうがよい」ということだ。これは、こうも言える。「新たな買い付けをしたくなるほど強い状況でなければ、絶対に現金化するベきだ」。

 まあ「投機」の場合は、という条件はつけた方がいいかも。

 大切なのは客観性を育てる努力をすることである。
 自分が下がり続けているその株を持っていることを忘れるのだ。損失が出ていることを頭から追い出し、自分とは無関係な人が持っている銘柄だと仮定する。そして、いまから新たに買い付ける価値があるかを考えてみる。価値があると思えばそのまま持ち続ける理由になるし、価値がないと思えば損失を確定するしかない。
(中略)
 失敗に目を向けることは、投資で成功するための最も確実な方法なのである。

 もし自分のことでなかったらどうか? というのは、投資に限らず、自己欺瞞を防ぐための心理的テクニックのひとつとして有効でしょうね。

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