ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』47 株式市場で耳にするいくつかの間違った常識

47 株式市場で耳にするいくつかの間違った常識

 「利食いをしていれば、けっして破綻しない」というお決まりの文句である。もちろんこれは間違っている。最もありがちなミスは、利食いをする一方で損を放置することだ。(中略)正反対なことを勧める。

 聞いたことのない格言ですが、日本で言う「利食い千人力」みたいなものか。なんとなくありがたそうに聞こえるだけであまり意味がなさそう、という点まで含めて。

 あえてガイドラインとするならば、「利益の出ている株は放っておいて、損の出ている株を売れ」ということだ。
 冒頭のポリシーに賛同する人は、「儲けが出ているのが分かったら、すぐに売れ」という意味で考えているのだろう。その場合、取れる利益は小さい。またこれに従うと、損が出ているときには、その損失を実現しないことになる。損失が利益に変わってくれるのを待つことになるのだ。しかしその待ち時間は、相当長いものになる可能性がある。ほとんどの場合、損失は最終的に 相当な額にまで膨らみ、あとから実現できるわずかな利益を上回ってしまう。
 一番良いのは中間を行くことだ。儲かっていたら放置しておき、損が出始めたらさっさと切る習慣をつける。儲けがまとまったら安全策として、ときどき現金化するとよい。

 損は切れ、利は伸ばせ、に関してはもう何度も出てきましたが、ここの記述はコツコツドカンの負けを勝ちに変えるには、の話を連想しますね。

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