昔なにかの本で「カメラは飛び道具である」というフレーズを見て感心したおぼえがあるが、それに沿って言うなら、撮るや否やネットで拡散できる機能がついた「スマホは大量破壊兵器搭載ミサイルである」だろう。
誰もが大量破壊兵器級の威力を手にしたらどうなるかというのは、SFでよくある面白い題材ではある。
一番に思い出すのは星新一の『特殊大量殺人機』だ。当てはまる条件を紙に書いて入れるだけで何十万人でも殺せる顔も名前も不要のデスノートのような機械(本当にデスノートの元ネタ、少なくともそのひとつではないか)を発明した博士と助手の話だ。
最終的に機械の製法が産業スパイによって流出して、少数派のグループまでも装置を所有するようになり、誰もが誰もに気を遣わなければいけない、とんでもなく礼儀正しいが窮屈な世界が実現する。
SNSの使い方を誤って何かと炎上する事件が多い(いわゆる「バカ発見器」の側面)現実を言い当てているような気がしなくもない。
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