理想のしおりが偶然できた

 紙に二つ穴を開けて金具に綴じるタイプのバインダーを買ったら、プラスチック製の説明書(?)が入っていた。捨てる前に何の気なしに、その穴にごく普通の髪ゴムを通して、しおりにしてみた。これが理想のしおりになった。

 まず、面積がそこそこ広くて表面がザラザラしているので、摩擦が効いて容易に滑り落ちない。ゴムを背表紙側にして挟んでおけば、仮に滑ってもゴムが引っかかって外れない。引っかかるのがゴムだから本も傷まない。

 床や机に置いたときも、ゴムの結び目と弾力のおかげで完全にぴったり貼り付かず、本体部分もゴム部分も、すぐに拾える。薄い紙のしおりを机から拾おうとして爪でカリカリやった経験は、本好きなら誰にでもあると思う。

 極めつけは、外している間のしおりの置き場問題の解決である。たとえば電車等で立って読むとき、抜いたしおりをどこに保持しておくか? ゴムを小指に引っ掛けるだけで解決する。

 しおりのページを開くと同時に、片手の小指でゴムをすっと引っ掛ければ、そのまま本から抜けて小指にぶら下がる。そのまま読んで、戻すときはその逆で、小指からすっと挟んで閉じる。動作に一切無駄がない。

 そして無くしても一切痛くない。廃物利用と一本当たり10円もしないヘアゴムだけである。何十年も本を読んできて、しおりだけはずっとどこかで妥協していたが、まさか廃物利用で解決するとは思わなかった。誰も設計していないのに隙がない。素晴らしい。

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