政治

書評

エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』★★★

シャルリー・エブド襲撃事件への過剰反応は、フランス的ライシテの流れとは連続しておらず、少数派差別の自己欺瞞的正当化が過ぎる、という趣旨。  当たり前だが暴力肯定というわけではなく、公共の場でのスカーフ禁止などは、男女平等の立場からはっきり正...
投資哲学

レームダックの概念は株にも応用できそうだ

習近平の任期廃止や自民党総裁の3選可否に関連して思ったことだが、レームダックの概念は株価にも応用できるのではないか。  「政治家の任期」は特殊であり、単に「ある一定の権力を振るい続ける期間」ではない。「今現在の権力」自体が、「あとどれぐらい...
書評

『文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕』★★★★

エマニュエル・トッド著、ユセフ・クルバージュ著。何かで知った。  識字は力。識字の親が子を非識字にすることはなく、社会全体の識字率は一方通行。親が非識字で子が識字という時期には権威の不安定化で移行期危機が起こる。  これらは人類学的に普遍的...
書評

グレアム・アリソン『米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』★★

興味深く重要な話ではあるんだけど、どこの誰でも言えそうなことしか言ってない気がして、いまいち。
書評

ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』★★★

過去書評。サウジで王族が拘束されて財産ぶんどられたみたいなニュースを見て思い出した。  現代人が知っているような意味での「経済成長」が可能になるためには、 私有財産制 科学的合理主義 資本市場へのアクセス 輸送通信手段  の4条件が確立しな...
書評・レビュー

烏賀陽弘道『フェイクニュースの見分け方』★★★

まあ当たり前のことと言えば当たり前のことばかりだが、いい新書だと思う。
書評

『セイヴィング キャピタリズム』★★★

ラグラム・ラジャン著、ルイジ・ジンガレス著。過去書評。金融の重要性についての本。改めてどうこういう話はないが、いい。  それにしても、もうちょっとましな邦題はなかったのか。原題"Saving Capitalism from the Capi...
書評

キャス・サンスティーン『シンプルな政府:“規制”をいかにデザインするか』★★★

ナッジをうまく活用することで政府を効率的にできないかという話。  行動経済学で特別新しい知見はないけど、実際にアメリカ政府がここまで進んでいるとは思わなかった。日本では絶対にやってないだろうなあ。