進化

書評

スティーブ・スチュワート=ウィリアムズ『宇宙の広さを知ったサル――心と文化の進化論』★★★★★

投資には全く関係ないもののめちゃくちゃ良かったので紹介。今日時点での進化心理学とミーム論の入門かつ総まとめとしてベスト。 これらは今世紀の政治の未来にも示唆するところ大と思われるので、既にある程度知っている人も、そうでない人もぜひ読んでほし...
政治経済・金融一般

ドミナンスとリバースドミナンスの振り子

チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・ホモサピエンスの共通祖先は、♂が出身群に残り♀が分散する類人猿だったと考えられる。程度の差はあれ、いずれも概ね喧嘩の強い♂が配偶機会を得る。 ヒトはチンパンジーほど乱婚でもなくゴリラほどハレム独占でもなく、その...
書評

ブライアン・ヘア『ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』★★★★

人類の自己家畜化そのものについては、『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』が一番良い本だと思うが、この本は政治的な部分にまで踏み込んでいて、独自の価値はあると思う。 以下はこの本のまとめではなく、政治面の意味合いについ...
書評

デイヴィッド・ローベンハイマー『食欲人』★★★

極端に要約すると、進化環境では普通に食事をした場合の制限要因はタンパク質となるので、動物は大概タンパク質が満たされるまで食べ続けるように進化的にデザインされており、それは人間も例外ではない、という内容。 筋トレのためにホエイプロテインを飲ん...
書評

エリック・ジョーゲンソン『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』★★★

シリコンバレーのエンジェル投資家だかの、仏教に絡めた自己啓発書。そう聞くといかにもよくある感じで、事前にはあまり期待していなかったが、その手のものの中では比較的というかかなりまともな内容。 とはいえ「細菌が食べないパンが人間の体に良いなんて...
書評

リチャード・J・ジョンソン『肥満の科学: ヒトはなぜ太るのか』★★★★★

肥満と幅広い病(従来肥満と関連すると思われていなかったものも多数)が、「食物と水の欠乏に備える進化的適応」≒サバイバル・スイッチという観点から統一的に説明できるという話。 よって「何か健康に良いか?」ということについては、ほぼ既知で、そこに...
投資哲学

念力でチャートを動かす錯覚が生じる条件は何か

昨晩、CPI発表に伴う某先生の戦いを追うためにドル円のリアルタイムチャートを見ていた。その際に、FXマンガ等でよく描写される(?)念力でチャートを予想できる(あるいは動かせる)的な錯覚を、生まれて初めて感じた。 脳のパターン認識モジュールの...
書評

アンドリュー・W. ロー『Adaptive Markets 適応的市場仮説: 危機の時代の金融常識』★★★

進化・生物・数学・経済・金融・市場のあたりに一通りの知見がある自分には、分厚い割に新しい話が全然なくて正直いまひとつだったが、このあたりの総まとめ本としての価値は十分あるように思える。