進化

書評

『自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊』★★★★★

ダロン・アセモグル著、ジェイムズ・A・ロビンソン著。非常に面白かった。以下私の理解による大雑把な要約。 ホッブズのリヴァイアサンの議論は概ね正しく、その意義も明白であるものの、その対極として想定されている自然状態「万人の万人に対する闘争」は...
書評

ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』★★★★★

投資には関係ないので紹介していなかったが、新型コロナウィルスの件で思いだした。 人間のリスク見積もりが、あくまで進化環境に合わせたヒューリスティックで近代文明に適応していないこと、それにマーケター・デマゴーグ・アジテーターがつけ込むことにつ...
投資哲学

投資家適性とサイコパス性

熟達した投資家は全員サイコパスである、という言説は、熟達もしてないし投資家かどうかも怪しいし投資家友達もいない私には本当かどうかさっぱりわからないけど妙な説得力がある。— burabura (@burabura_117) 2019年7月20...
書評

『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』★★★★★

ハンス・ロスリング著、オーラ・ロスリング著、アンナ・ロスリング・ロンランド著。すでに評判高いけど、確かに名著。 私自身には特別これという新知見があったわけではないが、ようやく進化心理学が当たり前の前提となり、それをどう応用すべきかを考える段...
書評

橘玲『朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論』★★★★

すごくよかった。タイトルは正直「釣り」と言っても過言ではない。内容的には副題だけでいい。 私自身にとっては、なんら目新しいことはない。政治リベラル・経済リバタリアンで最新の社会科学(特に進化心理学)に抵抗がない日本人が書いたらこうならざるを...
書評・レビュー

ジェフリー・ミラー『消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学』★★★★★

訳書情報 「消費資本主義!」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 上のブログでだいたいの内容は知っていたのだが、実際読んでみると詳細の部分がどれも興味深かった。 啓蒙書としてだけでなく、高額な消費をやめたいまたはやめさせたいと...
政治経済・金融一般

戦争とニセ科学には逆相関があるかもしれない

人間がいわゆる「科学的」思考が苦手だということは、繰り返し立証されている。進化環境で生き残るのに科学的思考はそんなに役に立たず、(科学的でない人間を相手の)政治の方が大事だったからであろう。 にも関わらず、今日科学が重要視されるのは、科学技...
投資哲学

投資への前適応になるのは貧困・ギャンブル・ゲームあたりか?

進化に関して前適応という概念がある。ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』78 あなたの投資から最大限の果実を得るために 種銭がなく、当然投資でまともに儲けたこともない一番最初に、勤倹貯蓄や勉強をするモチベーションをどこから持っ...