先が見えすぎて有害な場合がある

雇用、利子、お金の一般理論 (講談社学術文庫)

 ミクシィ投資から得た教訓その2です。これも初めて認識したというわけではないですが、実感したのは初めてです。

 現在ミクシィ株は、去年12月の高値約9000(分割前)の約2倍の値がついています。去年の最高値で買った人は、半年先の未来を見抜くという意味では、実に正しい投資行動を取ったことになります。

 しかし実際には、この値段を回復したのは今年5月になってからのことで、それまでには、何度も4000台(分割前)まで売り込まれました。私自身、損切りに次ぐ損切りで、NISA枠の100株を除いてノーポジになった場面が、1月頃にありました。

 又聞きの又聞きぐらいでしか知りませんが、去年の高値を買ってその先の下げで退場した人も実際にいるはずです。そのような人は、結果的にモンストの可能性など正しく理解できない方が良かったことになります。

 市場のコンセンサスが間違っている時に正しい少数意見につくことができれば、いわゆる逆張り投資の成功となり、普通は儲かります。しかし、それが極端になりすぎて、周囲がみんな間違っている時にひとりだけ正しいと殺されてしまうわけです。いわゆる魔女狩りの論理と同じです。

 これは市場の持つ性質のうち、最も理不尽に感じられるもののひとつだと思いますが、市場にケインズの美人投票の要素がある限り、どうしようもないことでしょう。抜本的な対策は思いつきません。

 ただ、相手のあることだから自分だけが正しくてもだめ、とやや広く捉えれば、投資のみならず人間関係の基本とも言えます。このことを常に認識して、どんなに自信があっても、自分の予想よりはやや謙虚に行くことを心がけるしかないと思われます。

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