アンティークコイン投資が将来的にうまく行かなくなると予想する理由は、そもそも近い将来、(実物)コインによる決済自体が、ほぼ確実に絶滅するからだ。
アンティーク○○とか、ビンテージ○○の価値が、普通の○○の存在に支えられていることは、普段は意識しなくても、少し考えれば明らかだろう。
たとえば、何らかの理由で誰もワインを飲まない世界でビンテージワインに価値が出るわけがないし、何らかの理由で誰もジーンズを履いていない世界で、ビンテージジーンズを欲しがる人間がいるわけがない。
現在すでに切手で同じことが起こりかけている。かつて切手のコレクションが流行し、珍しい切手に価値があったのは、誰もが頻繁に切手を使っていたからだ。
電子メールが主流になり切手を使う機会が減ると、趣味が切手コレクションですという人はいなくなり、希少切手の価値も失われた。どちらもまだ完全になくなったわけではないが、かつての価値を取り戻すわけがないことは明らかだ。
今日の日本でも、すでにSuica等の電子決済で、コインの煩雑さを省くことは一般に行われている。ビットコインのような新しい小額決済の仕組みも生まれつつある。現在のような金属片を使った小額決済が半世紀後も普通に行われているとは、私には信じがたい。
というわけなので、正直なところ長期投資として資金をアンティーク・コインにぶち込むぐらいなら、ビットコインにぶち込んだ方が、まだ見込みがあると思う。
コメント
『1セント切手が9.7億円に 英領ギアナ発行、米で落札』
より先に衰退している切手でも今が過去最高額だそうで、これから下落の一途かと言えばそうとも言い切れないと思います。世界経済が拡大していく、お金持ちが増えるという前提に立てばお金持ちの趣味の王道である美術品収集やコイン収集や切手収集はなくならないでしょうし、半世紀先でもマーケットとして成立する程度には残るんじゃないですか。使う使わないは関係ないですよ。たぶん。加治本がポジショントークなのは間違いないですけどね。
>1
そうですね。
一般に美術品は安泰でしょうね。
人間の美的感覚は半世紀後でも
まったく同じでしょうから。
切手も、紙の手紙がゼロにはならない以上、
今よりさらに悪化はしても、
やはりゼロにはならないでしょう。
ただ、決済手段であるコインは、
周囲で廃れたときに、自分だけ持っていても
仕方がないという点で、切手より更に
不利になる可能性があると思います。
仮に純粋に模様のついた金属片という
美術品の価値は残るとしても、
そうなったら今からの投資としては
やはり厳しいことになるでしょう。
コイン投資は、発行枚数の稀少性・芸術性・希少資源・経年などの要素で成り立っている。従って周囲の環境により発行枚数・現存枚数が減ることによりさらに価値が上がる。またお金持ちはそういったところに価値を見るため通常の需要と供給商品とは考え方が違う。
ビットコインなどの流行・需要のみを捉えたハイリスク品と比べること自体、投資方法の違いを理解していない素人投資家の浅はかな考えと言えるでしょう。
日本切手が価値が下がってきたのは、切手を使わなくなったのもありますが、
他に以下の点があるといわれています。
・日本のコレクター人口の減少している
・日本郵政が記念切手を発行しすぎた
・郵政の民営化時に、大口別納郵便の支払いに切手使用不可となった
そのままコイン投資に当てはめるのはいかがかと思います。