スティーヴン・プレスフィールド『やりとげる力』★★★★★

 ヒトラーにとっては、真っ白なキャンバスに向かうよりも、第二次世界大戦を始める方が簡単だったのだ。

 原題”the War of Art: Break Through the Blocks and Win Your Inner Creative Battles”(芸術の戦争:障害を突破し、あなたの内なる創造的戦いに勝て)。

 必ずしも芸術に限定された本ではないので、邦題は的外れではないものの、どこにでもある自己啓発本のようにしか見えず、あまり特色を伝えられていない。

 なんとも不思議な印象の本。すごい本なのは間違いない。一言で表現すれば『読むエナジードリンク』だろうか?

 たとえるなら、マルチ商法のすごい巧みな演説を聴いて、詐欺とわかりきっているのに本当にすごい商品のように思えてきて感心するような読書感。(実際にそういう経験があるわけではないが。)

 宗教的・オカルト的というわけではないが、かといって全く科学的・論理的ではない。どこがおかしいのかまで自分でわかる人があえて利用するなら大歓迎だが、誰かれ構わず薦めるのはためらわれる感じ。

 たとえるなら、この本は精神にぶち込むガソリンであって地図やハンドルとして使ってはならない。

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