ジェラルド・M・ローブ『投資を生き抜くための戦い』14 統計的分析、マーケットトレンド、そして大衆心理

14 統計的分析、マーケットトレンド、そして大衆心理

 マーケットでの利益を確保するカギは、全般的なトレンドを察知することにある。いまはデフレか、それともインフレの時期か? もし前者なら、ほとんどの株式は分析しても無駄だ。

 そうなんですよねえ。今はアベノミクス以来インフレ……というには全然不十分ですが、少なくともデフレ脱出の希望ぐらいは抱けるから、今の市場環境なわけです。「株なんて分析しても無駄」と言われる時期も、いつかまた来るのでしょう。

 トレンドを見定め、次にそれに反応する株式を見つけることに注力するベきなのだ。
 価格水準を見定めるよりも、上昇または下降トレンドを追うほうが、利益を上げるうえでより確実だ。特定の株式がいつ「安い」のか、「高い」のか、マーケットの底付近が安く、天井付近が高いという意味では、実は誰にも分からないだろう。例えば、株式は値上がりの初期にはかなり高値に思えることがあり、のちにはるかに高い水準になったとき、新たな事態の展開によって驚くほど安く感じられることがある。そこにルールはない。
 投資家が目を疑うほど株価が安くなったと思ったときに底に達するのを見たし、ほとんどの人が問題の銘柄を空売りのチャンスだと思ったときに、底値がつくのも見た。逆のことが、強気相場の天井に関しても言える。

 「トレンド追うべし、ルールはない」by ジェラルド・ローブ=サン。……とか思わずニンジャスレイヤー口調で脳内再生してしまう容赦のなさ。じゃあどうすりゃいいんですか。まあ天井や底を当てることはできないとは、よく言われることで仕方ないですけど。

 常に底値で買って天井で売れればよいが、底値や天井を知る手立てはなく、当てずっぽうでは損失がかさむばかりだ。それならば、実際に習得可能で有効な方法に注意を向けるのが、現実的というものだろう。証券市場の方向を決める最大の要素は、大衆心理である。
(中略)
 ときには、ある人気株が世論によって何年も過剰評価を続け、大衆は理論上の評価に対し不当に高い金額を払うことになる。同様に、理論上の過小評価が何年も続くことがある。現在株価を上げている過大評価の株が理論的にショートであったり、過小評価されている株がロングであるという確信を抱いても、自分の資産の助けにはならない。
 投資家は、世の中の傾向を正否にかかわらず探り出し、そこから成果を得るベきである。

 「正否にかかわらず」ってところがミソか。さくらのブロックチェーン相場を逃した時に痛感したことですが、私はまだまだ二次思考ができてない。業績の伴わないような動きも取りにいけるようになれれば、かなりユニバースを広げられると思うのですが……。

 私個人は、マーケットのすべての材料を総合すると市場価格が上昇するか下降するか予想しやすくなるような分析に関心がある。そもそも分析とは、このためにあるベきだ。それをまったく無視した分析作業に何度も出くわしていなければ、私もこんな分かりきったことは言うまい。

 確かに私も出くわしたことあるかも。自分もそうならないように肝に銘じておきます。

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