「平和が大切だから戦争反対」というのは「幸福が望ましいから不幸を禁止する」ようなもの

 「不幸を禁止する」というのは、昔上の記事で見かけてからずっと気に入っている表現である。

 俗に「ジンバブエ的」とも呼ばれるような、ある種の典型的な誤りを表現するのに適切な標語だと思われる。

  • 平和が望ましいから戦争を禁止する
  • 正規雇用が望ましいから派遣を禁止する
  • 好況が望ましいから不況を禁止する
  • 物価が安いのが望ましいから高値で売るのを禁止する

 これらに共通するのは、その望ましくない何らかの状態が、誰かの悪意によって意図的に起こされることなのか、誰の意志にもよらずとも起こってしまうことなのか、を間違えていることだ。

 そう考えると、例のリストはさらに下に伸ばすことができる。

  • 健康が望ましいから病気を禁止する
  • 豊作が望ましいから害虫を禁止する

 ここまで来ると、現代人の目には明らかに馬鹿馬鹿しいが、数百年前までは、どちらも実際に行われていたことだ。

 数百年後にはリストの全てが明らかに馬鹿馬鹿しいと思える時代になっているだろうか。

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