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書評

スティーブン・ピンカー『21世紀の啓蒙: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 』★★★★★

評判の名著。評判通り良い。スティーブン・ピンカーは進化心理学周辺で昔から大ファンだが、そうでなくても私はこの考え方にほぼ100%賛同するものである。適切な楽観主義は投資にも有用だと思われる。  本筋とは外れるが、このような人までやり玉に挙げ...
書評

『自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊』★★★★★

ダロン・アセモグル著、ジェイムズ・A・ロビンソン著。非常に面白かった。以下私の理解による大雑把な要約。  ホッブズのリヴァイアサンの議論は概ね正しく、その意義も明白であるものの、その対極として想定されている自然状態「万人の万人に対する闘争」...
書評

ダン・ガードナー『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』★★★★★

投資には関係ないので紹介していなかったが、新型コロナウィルスの件で思いだした。  人間のリスク見積もりが、あくまで進化環境に合わせたヒューリスティックで近代文明に適応していないこと、それにマーケター・デマゴーグ・アジテーターがつけ込むことに...
書評

マーク・ブキャナン『歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』★★★★★

ある方のnoteの話題で、べき分布とか冪乗則とか案外知られてないのだなと思ったので、思い出せる中で一番良さそうな啓蒙書を紹介。  自分にとってはずっと前からの常識のようなイメージだった。上から目線ぽいが、そういう意味ではなく、おそらく自分の...
書評

ジェニファー・アッカーマン『かぜの科学:もっとも身近な病の生態』★★★★★

新型コロナウィルスパニックに便乗書評第二弾。単行本版が出たのは10年近く前。  今では当たり前に言われるようになった、指についたウィルスが目鼻口へ入る接触感染が一番の感染経路だというのは、この本でも強調されていたと思う。  全体としてとても...
書評

アルフレッド・W・クロスビー『史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック』★★★★★

史上最悪のインフルエンザ【新装版】:みすず書房  投資に全く関係ない本……とも言えなくなってきたが、新型コロナウィルス騒ぎに乗じてスペイン風邪の本を紹介。とにかく全編むちゃくちゃ面白いので、図書館にリクエストしてでも読んでほしい。
書評

夕凪『スタバ株は1月に買え!: 10万円で始めるイベント投資入門』★★★★★

日経平均アノマリーカレンダー2020年版の時に、なぜか書評を忘れていたのに気づいた。  位置づけとしては初心者向け本になると思うが、普遍的に通用する内容が多く、初心者でなくとも非常に有益だと思う。タイトルがあまり内容を正確に表していないよう...
書評

『コラプション:なぜ汚職は起こるのか』★★★★★

レイ・フィスマン著、ミリアム・A・ゴールデン著。汚職に関する啓蒙書。すごく深かったり新しかったりする話はないと思うが、とても良い。万人におすすめ。  この本の主題とはあまり関係ないが、今回ひとつ思ったことは、汚職は均衡である、という話は、正...