禍福はほつれてしまった縄のごとし

 ussi氏のこのツイから発想した話。

 「禍福はあざなえる縄のごとし」という諺がある。良いことと悪いことが交互に起こる、あるいはプラマイゼロ近辺を行ったり来たりする、というイメージを惹起する。

 「災い転じて福をなす」とか「塞翁が馬」とかと同じで、悪い事が起きた時の慰めとしては有用な諺かもしれないが、実際の運・確率の働き方とはかなりかけ離れている。

 実際には、ほつれて広がってしまった縄のように、運の結果はどんどん拡散してゆくのである。

 たとえ話として以下のような例題を考えた。

 この正解は500人である。直感で答えてくださいというアンケートで一番多い答えは5人になったのにである。

 短期トレーディングでなくある程度の期間以上の投資であれば、1000回の試行というのは一生に行う投資判断の回数として大きく外れてはいないと思う。現役期間40年*200営業日=8000日で、1, 2週に一度ぐらい何か売買の判断をするとすれば、1000回前後になるだろう。

 要するに、単純に運だけで一生上振れ続けたり一生下振れ続けたりする人は思ったより多いということだ。

 うまくいった(いかなかった)ことによりモチベーションが上がる(下がる)、持てるものがもっと有利になる(いわゆるマタイ効果)等を一切考慮に入れなくてさえそうなるのであるから、おそらく実際には運の要素はもっと大きいであろう。

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