恩株は不合理な心理会計だが有利に働くことが多い

 恩株という概念があります。タダ株と呼ばれることもあります。

 正確な定義があるかは知りませんが、なるべく正確かつ単純に言うと、その銘柄に関する既確定キャッシュフローがすでにプラスの状態で持っている株、となると思います。

 もうちょっと直感的な別の言い方をすれば、その銘柄の売買や配当であがった利益だけで買っている(ことになる)株とも言えます。

 お金に色をつけて別に扱っている点で、全く不合理な心理会計であることは否定できません。理論上は、どんなお金・どんな株であろうが、上がると予想するなら買うべきで、下がると予想するなら売るべきです。

 しかし、私自身の恩株にまつわる経験はまだ2例だけですが、いずれも恩株有利の結果となっています。

 9984 ソフトバンクをスプリント買収で値下がりした頃に買いました。かなりの利益が上がったので、半分を売り、もう半分を恩株を残そうとしました。不合理だと考えたので、まもなく残り半分も売りましたが、売った段階から一時2倍弱まで上がりました。

 逆に2013年から今年2014年にかけての3085 アークランドサービスでは、意識して恩株を作ろうとしていたため、意識しなかった場合よりかなり高く売ることができました。

 どう考えるべきでしょうか?

 当たり前ですが、恩株を作ろうかと考えることができる時点で、少なくとも一単位分に相当するぐらいの利益が出た(出ている)銘柄だということです。

 そして、これも当たり前ですが、恩株を作るということは、その銘柄を当面持ち続けるという決定を意味します。

 合わせると、利益の乗ってきた銘柄を持ち続ける、ということです。

 暫定結論としては、恩株は全く不合理な心理会計であるが、利益を伸ばさずに早く確定してしまいたがるという別の有害なバイアスと相殺するため、有利に働く(ことが多い)、ということではないかと思います。

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