昔読んでなんとなく印象に残っていた部分を確認したくなって借りてきた。ついでにメモ。元々は教育や人間関係の話で、投資の話題ではないが、投資や金銭関係にも広く通じる話だと思う。
問題解決と時間
三十七歳ではじめて、私は修理することを学んだ。(中略)遺伝子のどこかに欠陥があり、機械を扱うのに必要な何か神秘的な特性が生来欠けている、と信じこんでいたのである。(中略)ある春の日曜日、散歩の途中で、隣人が芝刈り機を修理しているのに出くわした。挨拶の後、「やあ、大したもんですねえ。私にはそんなことできたためしがないんですよ」と話すと、隣人は即座に「それはあなた、時間をかけないからですよ」と答えた。私は再び散歩を続けたが、彼のいい方が、導師のように単純かつ自然で確固としていたのが気になった。それで次にちょっとした修理をする機会が訪れたとき、このことを思い出し、時間をかけてやってみることにした。(中略)じっくり調べると、指で掛金を上にあげたらブレーキが簡単にはずれることがわかった。そこで、そうしてみた。たったひとつの動作、指でちょっと押しあげるだけで問題は解決した。私は機械工の親方だった!
実際には、それから大抵の機械の修理ができるようになったわけではない。(中略)それ以後も最寄りの修理店に駆け込むことにしている。しかし、これは自分の選択であって、生来的な能力のないためではないことを、私は知っている。また誰であれ、知能に欠陥がない限り、時間をかける気さえあればどんな問題でも解決できる、と私は信じている。
この点が重要である。というのは、私が機械の修理に時間をかけなかったように、多くの人々も、人生の知的、社会的、あるいは精神的な問題を解決することに、時間をかけていないからである。(中略)問題は時間なのである。
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