人の和は地の利に如かず地の利は天の時に如かず

 別の話の前提として必要なので、やや今更感&唐突感があると思うが、ひとつ再確認しておきたい。2012年末〜2013年前半の、狭義のアベノミクス相場が、いかに特異なものだったかを。

 元から長期のデフレ経済→100年に一度の世界金融危機→経済無視の悪夢政権→数十年に一度の大震災、という2012年までの状態、かーらーのー、急に日銀が買い上げます!!

 ……という日本株の経緯は、個別株に置き換えれば、

 元から落ち目の会社が景気が悪い時に不祥事起こしてさらに自然災害で被災し倒産寸前の状態、かーらーのー、急に超大幅上乗せ高値TOB!!

 ……みたいなものである。個別株でさえ「嘘乙、そんな都合のいいことあるわけないやろ」と思うぐらいのことのはずである。それが全体で起きたのである。

 単純に「2012年みたいな状況がまた来る」と思わない方がいい、とはしばしば言っているけれども、それは取りも直さず、初期アベノミクスみたいなチャンスもまた来ると思わない方がいいということである。正直もう私の現役の間に来ることは期待してない。

 だから、今日数十億以上持っているようなスーパー個人投資家達のムチャクチャすごいパフォーマンスは、言うまでもなく本人たちもすごい人なのだけど、すごい人がすごい環境にすごいタイミングでいたからこそのすごさだ、ということを理解していなければならない。

 同じ人が今からの十年で同じパフォーマンスを出せるかというと、それはまず無理なのである。

 アベノミクス初期にムチャクチャすごいパフォーマンスを出した人が2019年後半にもムチャクチャすごいパフォーマンスを出したばかりの今は、一番説得力のないタイミングであるが、大局的には絶対にそうなのである。

 とは言うが、相場は全く逆で、「人の和は地の利に如かず地の利は天の時に如かず」の世界なのである。自分はそうでなければいいと思うのだが、どうしようもないことである。

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