仮に貯蓄が1億だろうが3億だろうが「貯金を取り崩す」ことに人は抵抗と恐怖を感じる。減るのは誰だって嫌なのだ。だからあまり消費しない。だが、配当収入だけでどんどん増えていって減らなくなれば、減らない範囲で人はお金を使うことが出来る。この点において、インカムゲインは非常に重要なのだ。
— 投資カービィ(29.22歳) (@big_loss_punter) 2017年10月12日
行動経済学でよく言われることだが、金銭を他の物品に変えてワンクッション挟むと、しばしば行動が変化する。(会社の金庫から金を盗まない人も同じ金額の備品は盗む、ギフトには現金より金券が好まれる、等々。)
これは詰まるところ、金銭≒数字は進化的に新しすぎて、意識して抽象的な思考を駆使しなければ扱えない、ということに起因すると思われ、根本的には一朝一夕でどうにかなるものではない。
私は、数年前から、純投資理論的にはほとんど意味のない三倍優待口座や優待クロスを、割としっかりやるようにしているが、この容易に変えられない事実を逆手に取った心理的テクニックとしてやっている面が大きい。
で以前詳しく書いたように、投資世界と日常世界を別のものとして、それぞれの世界でのお金を同じであって同じでないと考える二重思考が、パフォーマンス上重要である。
同時に、投資世界である程度お金が増えたら、多少は日常生活も豊かにしたいところである。でないと、そもそも何のために投資をしているのかわからなくなってしまう。
しかし、単に出金すると、それはお金であってお金でないという、必死で保っている幻想を、ダイレクトに破壊する効果をもたらしてしまう。どうしたらいいだろう?
そこで挟むワンクッションが優待だ。投資世界では、あくまで株の長期投資であると考え(クロスはともかく三倍優待の方は本当にそうだ)、日常世界では(お金を引き出しているのではなく)あくまで関係先から季節のギフトが届くだけと考える。
これによって、投資メンタルも日常メンタルも狂わせずに、二重思考を保ったまま、安全に少しずつ、投資世界から日常世界に富を移転することができるのだ。
なお、最近投資クラスタで盛んになりつつある優待警察に対するアリバイを提出しておくと、クロスはもちろん優待制度についても、以前から全否定派である。
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