多少予算はかかってるっぽくて、全くの駄作でもないが、いまひとつ……というかいまふたつぐらい。
明らかにAI時代の今風『チャイルド・プレイ』リメイクを意識した企画であろうにもかかわらず、(人形が襲ってくるということ自体以外の)良いところの真似さえちゃんとできていない。
たとえば、当初そもそも人形が「犯人」なのかということさえ不明であるという巧みな構成とか、主人公が周囲に信じてもらえないことの恐怖とか、まるでパクれてない。
AIテーマ自体は必然としても、周囲のスマホやコンピュータや車を操れる能力は明らかに余計だった。魔法的過ぎてSFというか『ターミネーター』になってしまっている。
というか単純に怖くない。生命のないはずのものが悪意を持って動いて襲ってくるという人形ホラーの根幹が薄まってしまっている。
全般に脚本が弱い。というか伏線の張り方が足りない、男の子とか、その場で突然出てくる要素が多かったり、パワーグローブのアレなんか裏ギャグのつもりか(それにしても滑ってるけど)と疑うほど。
逆に社長の部下とか、伏線めいていたのに全く必要ない要素があったり。ほんのちょっとした工夫でいくらでも回避できる穴が多くて本当にもったいない。



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