『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』★★★

 思ったより保守的というか原作に忠実だった。全体としては絵世界物語とちょうど逆の感想で、新規キャラデザが秀逸な以外は凡庸。元が映画ドラでもかなり上位に入る名作だけに全然悪くはないが。

(以下ネタバレあり注意)

 良いところは、多種族になった海底人や海底世界のデザイン。チョウチンアンコウの伏線が微妙に生きてたりとか。バトルフィッシュとか鉄騎隊のメカのデザインもいい。

 一方で脚本面は基本的にほとんど変わってない割に、変更点はどれも今ひとつ。

 前半の宿題あたりは原作そのまますぎて、もう少しテンポよくできたのではないかと思うし、新規の宝探しのくだりも不要だったと思う。終盤のゲストキャラである元捕虜のばあちゃんも全くいらなかった。そんな時間があれば、かなり駆け足気味に感じたポセイドン関係の説明にもっと使ってほしかった。

 一番わからないのが、「いけにえ」云々のポセイドンのセリフが変わって、「女性のデータが少ない」とかなんとか、まったく唐突で意味不明のことを言い出したこと。

 「いけにえ」の語を消したかったのは、おそらくごくわずかでも猟奇的というかリョナ的ニュアンスを感じさせうるのを嫌ったためと推測するが、それなら静香一人で捕まる展開や殺されそうになる展開も別に必須ではないのだから、そこから変えればよかったと思う。

 そもそも反撃AIの融通の効かなさが、今でさえタイムリーと感じうるシナリオのポイントなのだから、「いけにえ」とは言わせたくないとしても、

ポセ「では発射前に捕虜の首をはね復讐の神である我に血を捧げよ!」
しず「なによそれ!? 何の意味があるの!?」
ポセ「ない! だが我はそうプログラムされている! それに従うのみ!」

 ぐらいで十分余計なニュアンスを消しつつ納得いく展開になったと思うが。

 ネジのくだりも、数年前にネットで流行った「ポセイドンのネジじゃねえの?」というネタに対するツッコミ潰しとしか思えないが、過剰反応だと思う。

 わざわざ印を書いた上に、光をまとって降りてくるのは、やりすぎて完全にギャグになってしまっている。締め直すくだりはそれで良いとして、たまたま足元へ飛んできて「あの時のネジ……!」程度で十分だっただろう。

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