リチャード・V・リーヴス『なぜ男は救われないのか』★★★★★

 原題"Of Boys and Men: Why the Modern Male Is Struggling, Why It Matters, and What to Do about It"(少年と男について:現代の男性が苦悩する理由、それが重要な理由、そしてそれに対処する方法)。

 男性の苦境についてリベラル派の立場から書かれた本。私の目から見ても、科学的にも政治的にもまっとうかつ賛成できる内容である。年がら年中無意味なフェミ・アンフェ議論をやっているように見えるネット論壇の人々にも是非読んでほしいと思う。

 以下は自分用の超要約というかメモ。

 最近は女子の方が学業成績が良い傾向がはっきりしている。主に前頭葉の抑制機能の発達が女子の方が早いからだ。意外で大胆に思われるかもしれないが一年遅れの入学(Redshirting)を全男子に適用することを提唱する。

 女子の方が成績が良いなら男子の方が給与が高いのはなぜか? 議論はあるが、主要因は子育て負担と思われる。母親を働かせようとする方向だけでなく、父親にもっと子育てに関わらせようとする方向もあっていい。たとえば子供が不安定になる思春期に父親に有給休暇を与えるなど。

 結婚観・家庭観の変化による大黒柱意識の低下(自他ともに)は、男性の無気力や絶望を招いていそうだ。特に貧困層男子・黒人男子は、不利な立場にも関わらわず、政治的にも疎外されていて、支援も届きにくい。有害な男らしさ(Toxic masculinity)の概念は非科学的な上に過渡に政治的で有害だ。

 従来男子が多かったSTEM(Science, Technology, Engineering, Math:科学・技術・工学・数学)分野に女子を増やそうとする政策がなされてきた。同じように、これからもっと重要になりそうで、かつ女子が優位なHEAL(Health, Education, Administration, Literacy:健康・教育・管理・読み書き)分野に男子を増やそうとする政策もなされるべきだ。人材育成・経済的動機づけ・スティグマの解消を目指すべきだ。

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