正直、少しなめていた。予想以上に良かった。1936年(二・二六事件の年)生まれで投資歴70年。もはやコサカスってレベルじゃない。
この年齢というか年代の人であれば、何かひとつぐらいあからさまにおかしいことを言ったり、やったりしていて当たり前だ、というような事前の偏見があったが、本当にそれが一つもない。すべて何らかの意味で正しい、少なくともおかしくはない、まっとうなことを言っている。
名乗っている肩書はデイトレーダーであり、それはもちろん嘘ではないが、実際の手法は、現在その名前から連想される(ネット取引開始からアルゴの勃興までの間に流行ったような)いわゆる「デイトレ」ではない。
長期保有する場合も普通にあるようだし、結果的に保有期間が短いことも多々あるだけの、真っ当なファンダメンタル投資ないしは決算プレイに見える。
中級以上の人であれば、知識や手法の面で「これは知らなかった」というようなことは何もないだろうが、むしろ初心者向けの普通の投資本として、それなりに良い内容であると思う。(初心者に同じことをやれとかやれるとは言ってない。)
勉強になるとかならないとかいう以前に、この年代の人が現実にこういうことをやってきて、こういう生活をしているという事実そのものが、とても興味深い。自分もこういうジジイになりたいと思わせるものがある。おすすめ。
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