今年SmileMoheji氏がハマっている(いた)トルコリラ沼。彼の退場後も変わらないどころか加速した勢いで下げ続けて大変なことになっている。
現在のトルコリラの動きが、主に政治要因の特異なものであるのは確かである。
しかし、そうでなくとも一般に、FXのハイレバでスワップの利益を狙う戦略は、投資の世界に数ある必敗法のひとつである。
SmileMoheji氏もそうだが、FXのスワップを債券の利回りのように捉えてしまっている人が多い。これは完全な間違いである。
投資の世界に魔法はない。何かを長期で持つだけで、米国債の利回り以上の利益が得られるとしたら、その分何かのコストを払うかリスクを取っているのでなければならない。
FXで高金利通貨を買っている場合、毎日の高いスワップ(金利)の代償は何かというと、将来の通貨価値の下落(見込み)である。そしてその下落は、通常、毎日一定ではなくあるとき一気にくる。
毎日もらえる(と思っている)スワップは、あくまで将来の下落の埋め合わせであり、利益が出ているというより、自分の資金を取り崩しているに近い。
この点は、毎月分配型投信の配当を利益と勘違いしている状態に少し似ている。これが見えにくいのは、統計的平均的長期的に見ればそうだというだけで、そうならないことも多い(ように見える)からである。
一気に下落すればロスカットで「はいそれまで」となるハイレバでスワップ生活を狙うというのは、本当は利益ですらない目先の数字と引き換えに、近い将来の確実な死を自ら進んで約束するという、まさに必敗法なのである。
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