古くからある格言だが、近年の知見と考え合わせるとまた別の趣がある。
人間は多くの場合ほとんどの事柄に対し、まず直感的な・素早い・動物的な判断を下し、後にそれを理性的な・遅い・人間的な論理で正当化しようとする。そしてその正当化は実に巧妙である。
実用上の典型的な応用例は、いわゆる確証バイアスの認識と、その回避であろう。
ある見解が理性で正当化できるというだけで安心してはだめだ。とりわけそれが自分にとって気分や都合がいい場合には。逆の場合も同じぐらい正当化できないかどうか考えてからでないと、何の意味もない。
もうひとつは、論理が後付けでどうとでもなるのであれば、ある意味、全ては「論理以外(以前)の部分」次第だということだ。たとえばモチベーションなどはそうだろう。私の好きな例はこのコピペだ。
月別『来月から本気を出す』
【1月】 初っ端から飛ばすと後でばてる。2月から本気を出す
【2月】 まだまだ寒い。これではやる気が出ない。3月から本気出す
【3月】 年度の終わりでタイミングが悪い。4月から本気を出す
【4月】 季節の変わり目は体調を崩しやすい。5月から本気を出す
【5月】 区切りの良い4月を逃してしまった。6月から本気を出す
【6月】 梅雨で気分が落ち込む。梅雨明けの7月から本気を出す
【7月】 これからどんどん気温が上昇していく。体力温存の為8月から本気を出す
【8月】 暑すぎて気力がそがれる。9月から本気を出す
【9月】 休みボケが抜けない。無理しても効果が無いので10月から本気を出す
【10月】 中途半端な時期。ここは雌伏の時。11月から本気を出す
【11月】 急に冷えてきた。こういう時こそ無理は禁物。12月から本気を出す
【12月】 もう今年は終わり。今年はチャンスが無かった。来年から本気出す月別『今月から本気を出す』
【1月】年の初めだしスタートダッシュで本気出す
【2月】2月は短いから無駄にしないために本気出す
【3月】年度の変わり目だから最後の追い込みで本気出す
【4月】春は心機一転新しい環境に早く慣れるために本気出す
【5月】落ち込みやすい時期だから油断しないためにも本気出す
【6月】今は梅雨時期だからこそ他の人に差をつけるために本気出す
【7月】カラっといい天気で活力がみなぎるからこそ今まで以上に本気出す
【8月】暑さで気がたるみがちだけど折角盆休みがある今だからこそ本気出す
【9月】気温も落ち着いて活動しやすい時期になってきたしこれから先も本気出す
【10月】寒くなる年末がくる前に面倒なことは片付けておきたいと思うから本気出す
【11月】冷えてきたけど余裕のある年末をこれから迎えるために今の内から本気出す
【12月】今年の締めだからこそ最後まで気を抜かずに今年を1年にするために本気出す
ある種の自己啓発によくある、オカルト的で非科学的に見える暗示や繰り返しの手法に一定の効果があるとすれば、理性以前の部分に、わずかながらでも意識的な働きかけができるからなのかもしれない。
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