ドラえもんの『円ピツで大金持ち』というエピソードは素晴らしい。マネーとは何かということの本質を、子供にもわかりやすく表現したものとして、これ以上は未だに見たことがない。
書き込めばそのままお金になるというこの設定、一見した印象ほど荒唐無稽ではない。
現実の一万円札も、単に日本銀行が「一万円」(もうちょっと正確には「日本銀行はこの紙を持つ者に対して一万円分の借りがあります」)と(偽造できないように凄まじく回りくどく)書き込んだ紙に過ぎないのだ。
しかし、この世に魔法はありえない。ただ書いた紙に価値が出るのは、それを記した人間(あるいはその集団)に、記された分の借りを(何らかの形で)返すという信用があればこそなのだ。
そのことを忘れて、お金を、紙の上でチョコチョコと操作できるただの数字と見なすようになると、浪費が発生する。
そして、バブルの後始末は往々にして他人にまで回る!!
……というところまで、わずか10ページで表現されているのが凄すぎる。
コメント