経済

書評

ジョセフ・ヒース『資本主義にとって倫理とは何か』★★★★★

定評のあるジョセフ・ヒースだけに、いつもながらすごく良い。 倫理という単語が表に出ているが、全体のテーマは、経済と政治の関係を説明する、あるいは経済学を政治的な誤解と非難から擁護する、と言った方が近いかも。 著者自身の過去の本と重複する内容...
書評

フランシス・フクヤマ『リベラリズムへの不満』★★★★

もう過去の人かと思っていたが、現在の左右双方からの伝統的リベラリズムへの攻撃、および、そこに至る歴史のざっとしたまとめとして非常に優れていると思う。おすすめ。
書評

藤代宏一『株高不況』★★★★

株クラにいるような人ならすでに認識している内容かもしれないが、短くてまとまりが良くて、現在のインフレ経済への転換についての、非常に良い新書だと思った。
政治経済・金融一般

経済的結果平等は悪い政治に直結する

現代では共産主義と独裁が結びついていることはほぼ常識であるが、これは歴史的経緯でたまたまそうであるわけではない。らいおんの隠れ家 : ポール・グレアム「不平等とリスク」 - livedoor Blog(ブログ) 経済的結果平等には、上のポー...
書評

アビジット・V・バナジー『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』★★★★

タイトル通りの内容。びっくりするようなことは何も書いてないが、むしろそれがいい。とても真っ当で質の良い啓蒙書。幅広くおすすめ。
書評

バーツラフ・シュミル『世界の本当の仕組み:エネルギー、食料、材料、 グローバル化 、リスク、環境、そして未来』★★★★

一言で言えばグ○タさんみたいなのに釘を刺し、ちゃんと現実の世界で何がどれだけの量どう動いているのかをしっかり知って考えようという内容。すごくいいと思う。
書評

古舘恒介『エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来』★★

エネルギーとその歴史に関しては十分良い啓蒙書と言えそう。ただし、それ以外の面、文明論とか精神論とかの部分はどれもやや胡乱というか、トンデモに半歩踏み込んでるように見える部分が多い。そこにだけ予め注意しておけば、全体としてはおすすめできる。
書評

田内学『お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門』★★★★

タイトル通りの内容で、とても良い啓蒙書。おすすめ。 本来一番複雑なものである「お金」を基本的なものとして思考がスタートしてしまうために色々おかしな話になってしまう広義の貨幣錯覚の問題について、自分も以下のように何度か書いていたが、こういう誤...