上手い人は多様だが下手な人には共通点がある

 このツイートから連想した話。上手い人と下手な人では、どちらに多様性があり、どちらに共通性があるのか?

 自分の記憶では、ずっと前にも一度見たような話で今回で2回目。2度あることは3度あるというし将来的にも需要があるかもしれないと思うので、一度まとめておきたい。

 一般にアンナ・カレーニナの法則と呼ばれるものがある。

  • 「すべての幸せな家庭は似ている。不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である。」

 要するに、成功には様々なことがすべてうまくいっている必要があるが、失敗はどれか一つ欠けていれば起きるので、失敗する方法の方より多様だということである。

 これは、突き詰めれば、高エントロピー状態になる方法や条件は、低エントロピー状態になる方法や条件より無限と言っていいほど多くある、という物理学のレベルから出てくるある意味当然の話で、かなり普遍的に正しい。

 これを投資に当てはめるなら、失敗する下手な人の方が多様であるという意味になりそうだが、実は違う。

 どんなにひどいギャンブラーで必ず失敗しそうな人であっても、ちゃんと生きて口座を開き、曲がりなりにも投資活動ができている時点で、物理学でいう高エントロピー状態とは全く異なる。

 わかりやすくたとえて言えば、

  • 株口座を一度も開いたことのない人
  • アマゾン奥地の先住部族で投資どころかお金も知らない人
  • 交通事故で植物状態の人
  • 連続殺人で終身刑を受け刑務所の中の人
  • すでに死んで墓の中の人
  • 下手な投資家
  • 上手い投資家

 という範囲でならば、投資家ってみんな画一的ですよねというだけの話である。

 投資の文脈で「失敗する人は皆似通っている」と言う場合、実際に意味しているのは、

  • 市場では、健康で正常なホモサピエンスが持つ自然な特性、つまり行動経済学的な本能に沿った素直な行動をしていると必ず負けるようになっている

 ということである。だから失敗する初心者は俗にテンプレ的と言われる典型的な経緯をたどることが多い。

 その一方で、上手い人はそれぞれ自分の性格に合った勝ち筋を、長年かけて身につけなければならない。そして投資で成功できる条件は、少なくともホモサピエンスの行動経済学的本能ほどには画一的ではない。そのため、上手い人のやり方は、その人それぞれに合った多様なものになる。

 まとめると、アンナ・カレーニナの法則は一般的に正しいのだが、投資の文脈で言われている「下手な人の方が画一的である」というのは、それより上の次元・より狭い範囲での違う話であり、投資の文脈に限れば当然そちらの方がためになるであろうということである。

 私も、ずぶの初心者には、一番最初はまず失敗事例から勉強するように勧めている。
 

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