INMU KINGを見て思ったのだが、野獣先輩とヘンリエッタ・ラックスの辿った経緯には少し似通ったものを感じる。
ヘンリエッタ・ラックスは1951年に子宮頸がんで死んだ黒人女性で、本人に断りなく採取されたがん細胞が、史上初めて実験室で無限に増え続ける細胞株HeLa細胞になった。本人はもちろん、遺族も1970年代まで何も知らされていなかった。
- 本人の意思とは無関係に、当時の人権意識のもとで勝手にパブリックドメイン的な扱いをされた
- 素材が無限に複製され、改変され、世界中で使われ続けた
- 本人が何者かは、使っている側のほぼ誰も気にしていなかった
- 対価はゼロ
ラックスの方は2010年代以降に急速に「再発見」され、遺族は2023年にバイオ企業と和解し、同じ年に故郷のバージニア州ロアノークに銅像が建った。死後72年である。当時は倫理上の問題だと誰も思っていなかったことが、数十年遅れて清算されたわけだ。
なので、22世紀に野獣先輩の銅像や記念碑が本名で公的に建てられていたとしても、自分は驚かない。


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