安田隆夫『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」 (文春新書)』★★★

 Audibleで聴き放題だったのであまり期待せずに聞き始めたが、期待よりかなり良かった。

 運を良くする方法についての議論そのものは、マックス・ギュンターの『「ツキ」の科学』のそれにかなり近い。

 5項目から2の「広範な学習」を引いて、代わりに「流れが悪いときにじっと我慢できる」を加えた感じになるだろうか。おそらく独立にそれにたどり着いたであろうことが、内容の信ぴょう性を増していると思う。

 ドン・キホーテそのものについてはほとんど何も知らなかったので、それも面白かった。

 終盤のほうの組織論や、反独裁・反パワハラ的な話については、利害関係者の綺麗事とというか「それが必要とされるだけのことが過去に何かあったんだろうなあ」というような邪推もちょっと浮かんでしまうが、少なくとも言葉通りには完全に正しいし、本としては良い内容だと思う。

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