血の終戦記念日

 4235 ウルトラファブリックスホールディングス。8/14(水)の2Qで下方修正。15(木)寄らずのS安、16(金)も-18%と、血の終戦記念日となった。

 自分も別に超絶良決算を期待していたわけではなかったが、テスラの動向を見ていても、下方修正まであるとは思ってなかったのでネガティブサプライズ。

 18年2月の血のバレンタインと比べると、株価・ロット共に低かったので、単独イベントの絶対損失額という意味ではましだし、別件の利益で年初来としてはまだプラスなので、パフォーマンス上で見ているとそんなに悪い状況には見えないのだが、主観的には同等以上にきつい。

 中期経営計画まで下方修正(?)されていることからも今回は1年程度で同等以上に持ち直すような見込みも薄そうだ。

 事業として会社としてもうダメだとは全然思わないが、再浮上までまた数年以上かかるとすれば、その間の景気の先行きや政治スケジュールを加味すると、まとまったポジションをホールドし続け、全ての決算を跨ぎ続ける意義は失われたと思う。

 少なくとも、16年末のUfHD統合イベントから一続きのそれという意味でのウルファブ投資はいったんクローズせねばならないだろう。

 瞬間最大2000万以上あった含み益を全部吐き出し、やや足まで出てるので、とんでもない大敗である。せめて教訓を次に生かすため、まとまった反省記事を作成することにした。

参考:3年チャート(SBI証券)

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ハウスマネー効果と税金意識

 16年末に買い始めて、中計発表でもう一段上がり、さらに四季報予想が良いとか五味氏参入とかで、17年10月の頂点3700までの間は特に問題はなかった。まあそこまでは上がり続けているので当たり前だが、自分の立ち回りを振り返ってもそうだ。問題はその先だ。

 2017年成績での「含み益は国家からの無期限ローン」ってセリフ、今見るとこれ完全に死亡フラグですよね!!

 まあこの時はもちろんここからもまだ上がると思っていたわけなので、この行動自体が不合理とは言えないのだが、ここで「含み益」と「税金」を意識してしまったことが、後に結果的に不利に働いてしまったのは間違いないように思われる。

 いわゆるハウスマネー効果というか、

  • 儲けた金だから無くなっても元々
  • 含み益だから減っても痛くない

 というような油断が生じたのではないかと思える。

 ハウスマネー効果についてはすでに警戒していて、ミクシィの時には意識して対策を取っていたのにどうしてこうなった。知っていても意識していてもそれだけではダメで、具体的な形にしなければいけなかったのか。

 仮に3000越えのあたりで、税金を気にせずに一度ポジション解消してフラットになっていたら、血のバレンタインでやはりある程度まとまってくらったとしても、そしてその後どのような経過を辿ろうとも、含み益全部吐き出すまでは行かなかったのではないかと思う。

 少なくとも確かなのは、チューリッヒの公理で言うこの部分を、今回のUfHD投資では守っていなかったということだ。

 あらかじめどれだけの利益がほしいのかを決めておけ。そして、それを手に入れたら投機から手を引くのだ。

 モンスト相場の時は、家の購入に踏み切れる財務体質になれたらいいな、という利益の目処が決まっていたので、かなり理想的に降りられた。

 もちろん、スマホのガチャゲーというのは日本の特殊要因が強すぎ、中国版は絶対成功しないだろうから、テンセント版期待が残っているうちに撤退しなければならない、という銘柄としての目処の効果の方が大きかったと思うが。

血のバレンタイン

 18年2月の血のバレンタインについては以前も書いているので簡単に済ませる。本質的には、自分自身がIFRSというか会計に詳しいわけではないのに、良い結果が出る方に賭けすぎたということに尽きる。

 少なくとも、その期待を織り込んで上げてきた状態で、直前での短期分追加はありえなかった。その分さえなければ、現時点でも全部吐き出すまでは行っていないどころか、ある程度まとまった利益のままだったはずである。

エコーチェンバー効果

 元々自分が第一化成を知ったきっかけは亀吉師匠銘柄としてのパクリ投資だったわけだが、そこまでは別に悪くない。現代の状況では、結果的に大きく上がるような銘柄が、ネット上でどこからも誰からも聞こえてこないということは、あまりありそうにない。

 ただ、数年にわたって他のホルダーと有形無形、オンライン・オフラインのつながりができたことで、いわゆるエコーチェンバー現象というか、群れることによるマイナス効果のようなものはあったかもしれない。

 チームなんたらとか、なんとかの会とか、一般にホルダー同士の仲間意識は死亡フラグというのは株クラの常識というか自分も重々承知で、どちらかというとそういうのを馬鹿にしてさえいたはずなのだが、やはり自分だけは大丈夫と思っていた。

 まあモンスト相場の時も常連メンバーでガチ勢とか言って盛り上がっていたのは同じだし、当然もっと上がっていたら良い方に働いたわけなので、後知恵の結果論に過ぎないと言われたらそれまでだが。今後は同じことを繰り返さないよう具体的措置を講じる。

イナゴ効果軽視

 これはどちらかというと今回というより血のバレンタインの時に思ったことだが、どうも自分はいわゆるイナゴ効果を軽視していたというか、過小に見積もっていた節がある。

 当然知らないわけでも計算に入れていないわけでもないのだが、規模的にも期間的にも、もっと大きくまた長期間にわたるものと考えた方がよいのではないかと思える。

 たとえば上でも出た五味氏参入の時、「イナゴ分はすぐ丸々ハゲた」と書いていて、ある程度短期間で効果は消えて後は忘れていいというイメージでいたし、

 のようなものの逆指標性も、当然認識してはいたのだが、所詮ネットの片隅の遊びだろうから参考情報程度に、というイメージだった。

 ……と書いていて気づいたが「ネットの片隅」というイメージが絶望的に古いな。インターネットがマイナーなものだったころからやっている年寄りの感覚だ。

 おそらく自分自身のブログやツイートの効果も、それが具体的にどのぐらいあるかは別として、実体よりは大幅に過小評価していたと考えた方がよさそうだ。これからどうすべきかも一度よく考える必要があるだろう。

機関売りの軽視

 血のバレンタインの時も今回も、いわゆる機関の空売りがまとまって入ってきていたにも関わらず、あまり重視していなかった。

 その理由はおそらく、モンスト相場でのGSの空売りポジトレーティング等、機関のあまりのムチャクチャぶりの記憶が鮮明すぎたからだと思う。

 その記憶が間違いというわけではないが、それはあくまでひとつの極端な特殊ケースであり、引きずられすぎないようにイメージを補正すべきかもしれない。

欲に負けた

 そもそも17年末時点で、3倍優待口座含め全部売り払って数年気絶した方がいいんじゃないかという考えが浮かんだことはあった。結果論から言うと、そうしていれば完璧に正解だったというか神懸かっていた。でも、しなかった。

 理性では正解していたのに、行動が結果的に間違っていたわけだから、広い意味で欲に負けたとしか言いようがない。

中途半端な投機的態度を取った

 そもそも17年末から実質的・主観的にベタ降りと言いつつ、一部で(ある程度)大きな勝負を続けるという態度が、思いっきり矛盾している。

 時間を惜しみなく注ぎ込むか、まったくやらないかのどちらかでなくてはならないからだ。中途半端というのはないのである。

 という言葉を以前引用していたではないか。自分じゃなかったら「何を言ってるんだお前」と思うはずである。これは繰り返しになるが上記のハウスマネー効果がなければありえなかった判断だろう。

 元々広義のアベノミクス相場が終わるまでに総資産一億行けてればいいな、というイメージだったのであり、すでに超過していたのだから、本当に17年末で一度完全ノーポジになっていればよかったのだ。

 そうでなければ逆に、一銘柄だけに対してだけでもバリバリの投機的態度を維持していれば、3700で売って1200で買い、また3000で売って1200で買うようなことだって必ずしも不可能ではなかったかもしれないのだ。

 当然どちらも百パーセントの実現は無理にしても、少なくともそのどちらかに意識して寄せるべきだったと思う。中途半端は「何も考えずに楽して大儲けできるだろう」という単なる駄目な態度でしかなかった。

自分だけは別

 こうして見ると、全体に理屈では十分わかっているのに「自分だけは別」と思ってやっぱりやられる、というパターンが多いようだ。

(理屈で分かっていないことはそもそも書けないし、やられていないということを反省することもありえないので、あまり意味のないトートロジーではあるが。)

 「自分だけは別」という感覚は常にただの驕り・油断であり、自分自身を疑う姿勢を改めて強化しなければならないだろう。

今後の姿勢

 幸いこれだけ食らっても年初来プラス&総資産一億以上はキープしているので、態度は本気の投機よりも、(本来17年末にするべきだった)本当のベタ降りに寄せるつもりである。

 今の状況からなら、3倍優待まで全部売り払って完全ノーポジまではやり過ぎな気もするので、そこまではしないが、少なくとも当分大勝負はしない。

 本業に集中しつつ、アベノミクスほどではなくとも、またはっきりチャンスと思える時期まで一億の純資産をキープすることを最大の戦略目標とする。

今後のUfHD

 すでに失敗に終わった投機とは切り離して考えた場合、UfHDという会社自体にはまだ魅力は感じている。

 今回生じた下げトレンドがしっかり床に刺さって、短期・中期的期待がいったん完全にハゲるまで待って、さらに市場全体の急暴落でも来た時に、数年以上持つつもりで買うならば、かなり堅い投資になるような気はしている。

 自分も、NISA分+αの監視用のポジは残しており、実際にそういう状況が来たらまた考える。

返す返すも

 本当にIFRSの件(≒元祖血のバレンタイン)さえなければねえ。それなしではそもそも最大3700までは上がらなかっただろうという分を差し引いても、それさえなければ満足とは言わずとも、ある程度まとまった儲けのまま終われたと思う。

 もっと言えば、これは結果的にあり得ない仮定ではあるが、本当にこの件がなかったり、あるいは期待通りの結果であったりした場合、他の項目で書いている全ての問題点は問題でなくなっていたはずなのだ。

 これだけある明らかな問題点を反省できずに、結果オーライで全部そのままだった可能性もあるわけだ。すると結果オーライだった他の案件でもそういう点はあるのではないだろうか? ある意味それが今回一番怖いところであると思う。

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